NLP 2015(言語処理学会第21回年次大会)に参加しました。
京都大学で3月16日〜21日まで開催されていましたが、私は16日〜19日だけ参加しました。大まかな日程は次の通りです。
- 16日(月) チュートリアル、ワークショップ「第11回 関西機械翻訳勉強会」
- 17日(火) 本会議 第1日
- 18日(水) 本会議 第2日
- 19日(木) 本会議 第3日
- 20日(金) ワークショップ「自然言語処理におけるエラー分析」
- 21日(土) ワークショップ「自然言語処理におけるエラー分析」
主に意味解析、言語資源・コーパス、辞書・形態素解析の発表を聞きましたが、面白い発表が多かったと思います。特に印象に残った発表の大雑把なメモを残しておきたいと思います。内容に関しては間違っているところもあるかもしれませんが、言語処理学会 第21回年次大会発表論文集 (2015年)で論文集が公開されていますので、正確な情報についてはそちらを確認してください。
- チュートリアル「国際会議論文の読み方・書き方」Graham Neubig
- 一番印象に残ったのは「ストーリーを伝えよう」でした。ストーリー(課題と解決策)を伝え、読者を納得させることが重要
- 発表資料のスライドも公開済み
- E2-1「左隅型解析を利用した無情報からの教師なし係り受け解析」能地ら
- どのくらいの知識を与えれば教師なし係り受け解析ができるのか?を明らかにしたい、ということが研究のモチベーション
- 人間にとって難しい係り受け構造(中央埋め込み木)を除いて文法のパラメータを学習する、というのが基本的なアイデア
- E3-4「日本語 Universal Dependencies の試案」金山ら
- 言語共通の単語と構文構造を設計する Universal Dependencies(UD) というプロジェクトの日本語版
- 既存の言語資源から UD 形式に自動変換できるように、品詞体系や単語の定義はBCCWJにあわせている
- C6-3「隠れセミマルコフモデルに基づく教師なし完全形態素解析」内海ら
- この先生きのこるには
- 教師なし形態素解析で単語分割と同時に品詞推定も行なうことで精度が上がった
- 品詞クラス数は既存のコーパスで定義されている数より少し多いくらいがいい結果になる
- C6-4「学術論文執筆のための仮名漢字変換システム」高橋ら
- 学術論文を学習コーパスとして使って論文執筆(専門用語)に強い仮名漢字変換システムを作った
- 自分たちの研究成果を自分たちで実用するdogfooding
- 5年以上自分たちで使っているらしい
- 言語処理、医学のドメインの論文を使って実験したが、複数のドメインの論文を入れたやつが一番精度が出た。配布するモデルは1つで良い
- KAGAMI for Emacsという名前で仮名漢字変換システムも公開済み
ポスター発表が盛況だったり、情報処理学会の全国大会と共催でお互いの招待講演や特別講演が開放されていたり、休憩室に行くとなぜか京都のおいしいお菓子(阿闍梨餅、八ッ橋、豆大福)が置いてあったり、とても良かったと思います。来年の言語処理学会は仙台の東北大学で開催されるそうで、いまから楽しみです。